そもそもプレースピードって何なの
これの続き的なことです。
そもそもプレースピードって何?
パススピードという意見もあるが
(引用元:W杯 パススピードランキング | Football LAB ~ サッカーをデータで楽しむ)
これを見る限り何とも言えない。多分、単純に平均パススピードだけ見てても無駄で、最も速いパスと最も遅いパスの速度差=緩急や強弱とかに注目しないといけなくて、速ければ速いほど強いチームとはいえない。その基準でいえば日本はウルグアイやブラジルより強くなっちゃうし。
たとえば、セレッソの扇原がボランチとして大成できてないのは、パスの緩急をつけるのが苦手で、速いパスばっか出してるから。遠藤がわざと遅いパスを味方に出して相手を食いつかせたあとにリターンを受けて、その相手が動いて出来たスペースにサクッとクサビを入れられたりできるのとは対照的。
じゃあ攻守の切り替えなんじゃないの
そもそも攻守の切り替えとかトランジションって何なの、っていうところの定義がいまいち自分は理解してないので、またまた 「サッカーをデータで楽しむ | Football LAB[フットボールラボ]」さんで、「攻守の切り替えデータ」を比較する際に採用されている定義を見てみる。
- ボール奪取からシュートまでの平均時間
- ロストからの被シュート割合
- ロスト後5秒以内に奪い返した割合
- エリア別こぼれ球奪取率
まあ確かにこの辺りの時間が短かったり割合が高かったり、あと高い位置でボールを奪えてるチームはトランジションサッカーだな〜、テンポ早いな〜っていう印象を受けると思う。
この定義に加えて、いろんなところで言われていることを何となく見渡して言えるのは、相手ボールをマイボールにするスピード、そしてマイボールになってからシュートに至るまでのスピードのことがプレースピードと呼ばれているみたいな感じ。だから、まあ必然的に縦へのスピードが求められるみたい。
ただこの定義にはいくつか気になる点もある。
まず、4がこぼれ球限定なのがよくわからない。これではプレス開始位置や網の位置というのが明確には見えてこない。ディフェンスラインの高さはどれぐらいか、どこからプレッシングがスタートしているのか、といった点は現代サッカー分析においてはほぼ必須のように思われる。
あと、タッチ数についての観点も抜けている。一般的に、ドリブルは除いて、少ないタッチでもボールを回した方がテンポ感は出る(“ティキ・タカ”)。このデータをとれば、多分「1.ボール奪取からシュートまでの平均時間」と綺麗に相関が出そうな気はするけど。
雑感
- 最近いまいちヨーロッパサッカー見てても面白くない気がしてきたのは、どこもかしこもこんな感じで縦へのスピード命みたいなサッカーやってて、戦術的にバリエーションがないし、あとFWに素早く当てたあとはもうFWだけのコンビネーションなりイマジネーションなりでどうにかしてくださいみたいなのばっかだからだと思った。
- そういうのっていわゆる右翼のサッカーっぽいし、我々リベラルフットボールファンは近ごろ肩身が狭い。ペップのクビもそろそろ危ういし、シャビはカタールに行っちゃったし。
- 言いたいこととしては、サッカーをそんなにシンプルなものに還元しちゃったらつまらない気がするんだよな〜とかそういうことなのですが、まあ実際にはルール的にもシンプルな競技ですし、はい。